「もう一度観たいあの映画」VOL.17 『ハンター』
主演:スティーヴ・マックイーン
【STORY】
“パパ”の愛称で呼ばれるプロの賞金稼ぎ、ラルフ・ローソン。脱走した逃亡犯を探し出し、刑務所に送り返すことを仕事にしている。そんなラルフには、8年前から同棲しているドティーという妊娠している恋人がいる。愛するドティーと生まれる子供のためにラルフは全米各地を飛び回り、凶悪な逃亡犯までも捕まえにいく日々を送っていた。そんなある日、ラルフに恨みを持つメイソンという男から脅迫電話がかかってくる。ラルフに恨みを持つメイソンだが、ラルフだけでなく学校に勤めるドティーの身にも危険が迫ることになる…。
【REVIEW】
1980年製作、日本では1980年12月に公開されたマックイーンの遺作になります。
年齢は50歳、ガンに侵されながらの撮影だったと思いますが、映画の中のマックイーンはどうかというと…役柄的に恋人とのシーンでは優しい顔を見せますが、逃亡犯を捕まえるときの眼光の鋭さは健在です。そして、車に乗るマックイーンと拳銃を手にするとマックイーンはやはりキング・オブ・クール、相変わらずカッコいいですね。
そして、この映画でもさまざまな車と拳銃がスクリーンに登場します。ラルフの愛車は古いシボレー、ウインカーがついていないので、曲がるときは自転車のように手で合図します。この映画では、マックイーンは運転がへたくそなラルフを演じているので、シボレーを路上駐車するときは結構滅茶苦茶な運転をしています。
拳銃のほうはというと、まず印象的なのは保安官の甥を捕まえるときに使用したスタンガン。電流が流れるものではなく、砂袋を発射して相手を倒すタイプのもので、大男の甥も一発で気絶してしまいます。あとはガンさばきですね。「ゲッタウェイ」でも見せた、拳銃を撃つときの反動を再現したシーンも登場します。そしてシカゴの地下鉄の屋根に乗って逃亡犯を追いかけるシーン。ジャン・ポール・ベルモンド主演「恐怖に襲われる街」でも似たシーンがありますが、ベルモンドに対するオマージュなのでしょうか。
ファッションも見逃せません。MA-1(外側がカーキー、内側がオレンジのフライトジャケット)とジーンズを着こなしています。MA-1といえば「トップガン」でトム・クルーズが着ていて日本でも流行りましたが、その6年も前にマックイーンは着こなしていたんですね。
そして共演者、保安官役に「ゲッタウェイ」で悪徳政治家を演じたベン・ジョンソン、「荒野の七人」でならず者のボスを演じたイーライ・ウォラックが登場します。
この映画が日本で公開される前の1980年11月にマックイーンは死去、2020年はマックイーンの没後40年、生誕90年の年になります。
もう説明のしようがないですね。
◇『荒野の七人』
ショットガンのシーンが印象的な
◇『ゲッタウェイ』
サンフランシスコの坂道でのカーチェイスはあまりにも有名。共演のジャクリーン・ビセットがとても初々しいです。
◇『ブリット』
ジャン・ポール・ベルモンドのスタントなしの演技が見ものです。
◇『恐怖に襲われた街』